私がギターを始めたきっかけ
私がギターを始めたきっかけを良く聞かれるのでお話ししよう。
幼少のころは祖父、伯父等が新聞記者やテレビ・映画関係だった環境もあって、私も当然その道に進むことに疑いを持たなかった。そして中学時代は報道写 真家を目指していた。当時はベトナム戦争のさなか、今考えると恐ろしいが私はベトナムへ行こうと思っていた。しかしそんな志も中学後半からは友達等の影響もあり、知らないうちに矛先は音楽に変わっていた。
プロのミュージシャンになる
最初はトランペットに憧れた。あのまっすぐで透き通る音色が好きだった。しかし体格・体力・歯、全てに渡ってまったく適正がないことに気がつきながらの練習は気が入らなかった。そんなことに悩んでいながらもミュージシャンとしてプロに成ることは決意していた。何の楽器でも良かった。そこでどの楽器だったらプロになれるかを稚拙ながら周到に考えてみた。ピアノを始めるには遅いし、ドラムも管楽器も体力的に無理だし、などと消去法で考え抜いた結果 、「ギターだったら病床に伏せっても弾ける」などと、ばちあたりのようだが私なりに生き残る活路を見いだして始めたのだった。
音・人・世の中
こんなきっかけで始めたギターだからアイドルを持ったことが一度もない。ギター少年だった時期がない。誤解を恐れず言えば、ギターが好きで好きでという気持ちになったことは無く、ただひたすら音楽家でいられれば良かった。だから私のアイドルはエリントン、モンク、ミンガス、ギル、ピアソラ、他にもたくさんいるがギタリストはいない。でもギターは私にとって表現する唯一の道具だから当然腕は磨く、今までもこれからも。
もう一言言えば、私にとって感心があるのは「音・人・世の中」であってギターは自己主張と検証の道具なわけだ。前述の巨匠方もそれぞれの楽器奏者としてずば抜けた存在である上に、リーダーとして優れ、常に世にもの申していたところに魅力を感じ尊敬の念を抱く。
copyright(c)Hiroki Koichi,1997